6月のこの時期は選手にとっても監督にとってもストレスのかかる時期です。
選手は最後の大会に向けて最後の追い込みがある中、チーム内で熾烈なメンバー争いをしなければなりません。
監督はそのメンバーを選ばなければなりません。
枠のあるスポーツなので、どうしても選ばれる選手と選ばれない選手が出てしまいます。
「実力が並べば下の学年」
これは鉄則ですが簡単なようで難しい。
容赦なく3年生を外すことはできません。
それは決して甘くなって情にかられているわけでなく3年生には下級生にない「想い」があるから一概に期待できないわけではありません。
そんな中、先週末に高校時代の同級生の森田と前田と食事に行きました。
相変わらず、会えば高校時代の最後の試合の話から野球談義になります。
森田は最後の大会で私と組んだピッチャー。前田は背番号14番のサードコーチ。
二人とも今は金融の仕事をしています。
今回は、高校時代になかなか試合に出る機会がなくムードメーカー的な存在でいつもいじられるばかりの前田の話が心に染みました。
野球は誰が見ても下手くそ。
体は小さく、足も速くない。
そんな前田が高校時代を振り返り言った言葉は「俺は誰よりも甲子園に行きたいという気持ちを持っていた」と。
そんな実力で??
そう言い返したくなるところだが。
彼が付け加えるのは、「それが与えられたサードコーチであったとしても」ということ。
この言葉に素直に驚かされましたが、彼が言うにはそういう気持ちの人間が20人揃って、スタンドもそういうやつばかりのチームになれば絶対強いと。
確かに。
本気で勝ちたくてベンチワークをしてくれるチームは強い。
本気で勝ちたくて応援してくれるスタンドがいてくれたら強い。
そういうチームなら練習も変わる。
メンバーを決めるのに実力や期待できる精神を見ようとしていた自分が監督としてまだまだだと恥ずかしく思いました。
どれだけ多くの選手を本気にさせられているか。
指導者なんてきっかけ作りをする立場なのにそれを抜かして選手を決めていたのではないか。
今からでもメンタルは変えられる。
本気で勝ちたくて勝ちたくて、チームのために働ける選手を増やそう。
みんながそうなれば絶対勝てる。
目に見えない「気持ち」の部分。
10年以上たってチームメイトの気持ちに気づかされた。
とは言え、同級生との会話の大半は昔話としょーもない話で。
今でも高校生のように笑いあえる絆は真剣に勝ちたいと思って白球を追いかけた日々があるから。
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