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2015年11月19日木曜日

会話できる選手

ある本に出会いました。

高校時代からお世話になっていた国語の先生から薦められた本です。

私は「これいいよ」と言われた本は必ず買うようにしています。

理由は2つ。

自分で選んだ本でもなかなかヒットしない中で身近な誰かがヒットしたわけだから間違いないだろうという安易な考え。

薦めた人間がどんな本を読んでいるのか知ることでその人の考えをわかるかもしれないということ。

そんな理由でないとジャンルが違う本なんて手にすることはありませんから。


「イチオシBook」に掲載したものもありますが今回は久しぶりの大ヒットでした。



『「言語技術」が日本のサッカーを変える』田嶋幸三著


サッカーの本なんて手にすることはありませんでしたが読んでみて仰天。

前書きに、ヨーロッパの選手が試合中に退場が一人出て10人になったときに残された選手はベンチを一度とみること無く自分たちで考えて試合を再開したということがありました。

ヨーロッパの選手は学校やサッカースクールで自分の意見を相手に伝える「言語技術」を習得します。

日本の選手はサッカーに限らず指示を待ちます。

野球はもちろんサインプレーがありますが作戦を実行するのは自分の判断ですし、そもそもサインが出るのは試合の中でもほんの一瞬。

ほとんどが自分で判断しなくてはなりません。

振るか、振らないか。 走るか、止まるか。

そんな簡単なことだけではありません。

バッテリー間の18.44メートルの間に1試合で300回近い決断があります。


しかし、「なんで振らないんだ」の問いに選手は「はい」
「その球は甘かっただろ」に「はい」
「わかってんのか?」に「はい」

家に帰れば母親から「今日はどうだったの?」に「微妙~」
「早く勉強しなさい」に「うざい」

こんな状態の子供じみた選手が9人集まっても強豪校にかなうわけありません。

昨今、若者のコミュニケーション不足が問題視されています。

もちろん我が野球部も例外ではありません。

この本では寄宿舎生活の中で「言語技術」を鍛えるプログラムを組まれています。

その中で中学生たちはエリートとして教育を受けます。


目指している「大人な考えを持つ集団」はそういうことで育っていくのでしょう。

「勉強ができる」ことが武器ですがテストの点数が良いだけでは何の意味もありません。

それよりも今までの傾向を見ると「会話できる」選手が伸びています。

話せる選手を磨いていけばもっと伸びていきそうです。

また、話せる選手を増やしていけばチームは「大人な考えを持つ集団」に近づくでしょうしエリート意識も芽生えるのでは無いかと思いました。

今まで自然発生的にミーティングなどでコミュニケーションを鍛えていましたが、改めて勉強をし直して「言語技術」を鍛えていこうと思います。



何より私のミーティングで話すこともわかりにくいし、「えー」「あー」も多いし、話が良く飛ぶし、結論を言う前に次に行くしと滅裂なわけです。

「難しい監督」「何を考えているかわからん」など選手の印象もあるでしょう。

自分も鍛え直して会話できる監督になろうと思いました。

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